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経営

間接コストの削減はメリット大!削減方法やポイントを紹介

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間接コストの削減はメリット大!削減方法やポイントを紹介
企業がコスト削減を実行する際、どの経費を削減しようと考えますか?
まず挙げられるのは「直接コストの削減」かと思いますが、是非着手していただきたいのが「間接コストの削減」です。
間接コストの見直しは、コスト削減に大きなインパクトを与えるにも関わらず、多くの企業で未着手である可能性が高いためです。


この記事では、間接費や直接費の概要はもちろん、間接コストを削減する3つのメリット、間接コストを削減するポイントなどをご紹介します。

間接費・直接費とは?まずは違いを知ろう

コスト削減を進める前に、「間接費」と「直接費」を見極める必要があります。
まずは間接費と直接費の「具体的な科目」や「違い」などを知り、正しい認識をしておきましょう。

間接費とは

間接費(間接費用/間接コスト)とは、製品やサービスに間接的・付随的に発生する費用のことです。

間接費は「間接材料費」「間接労務費」「間接経費」の3つに分類されます。
※大蔵省企業会計審議会(現金融庁)の「原価計算基準 」より

  具体的な科目
間接材料費 補助材料費、工場消耗品費、消耗工具器具備品費
間接労務費 間接作業賃金、間接工賃金、手待賃金、休業賃金、給料、従業員賞与手当、退職給与引当金繰入額、福利費(健康保険料負担金等)
間接経費 福利施設負担額、厚生費、減価償却費、賃借料、保険料、修繕料、電力料、ガス代、水道料、租税公課、旅費交通費、通信費、保管料、たな卸減耗費、雑費

間接費は出張費・交通費・事務用品費・賃料・光熱費など、「事業運営する上で全体的にかかるコスト」とイメージしていただけると分かりやすいと思います。

直接費とは

直接費(直接費用/直接コスト)とは、製品やサービスの1つ1つに直接的・必然的に発生する費用のことです。
直接費は「直接材料費」「直接労務費」「直接経費」の3つに分類されます。
※大蔵省企業会計審議会(現金融庁)の「原価計算基準」より

  具体的な科目
直接材料費 主要材料費(原料費)、買入部品費
直接労務費 直接賃金(必要ある場合には作業種類別に細分)
直接経費 外注加工費

直接費は材料費・人件費など、「製品やサービスの提供に欠かせないコスト」とイメージしていただけると分かりやすいと思います。

間接費と直接費の特徴の違い

間接費と直接費の特徴の違いを、一覧表でまとめたので参考にしてください。

  間接費 直接費
1科目あたりの金額 少額 高額
発生頻度 不規則 規則的
発生量 大量 限定
関わり方 複数の製品やサービスに発生 特定の製品やサービスに発生

直接費は正確に把握・管理しやすいという特徴があり、科目ごとの金額自体が大きいため、コスト削減の効果が出やすく、すでに多くの企業で最適化が進んでいるかと思います。

一方で、間接費は正確に把握・管理することが難しいという特徴があり、科目あたりの金額が小さくコスト削減の効果が出にくいと考えられ、まだ本格的なコスト削減に取り組んでいない企業が多いです。

間接コストを削減する3つのメリット

「コスト削減」と聞くと、把握・管理しやすい直接コストの削減に注力してしまいがちですが、間接コストこそ削減すべきです。
この章では、間接コストを削減する3つのメリットについてご紹介します。

メリット①自社の売上にマイナスの影響を与えにくい

直接費は製品やサービスに直接関係しているため、直接コストを削減するとマイナスの影響を与えてしまうリスクがあります。
例えば、製品クオリティーの劣化や、従業員のモチベーションの低下などです。

コスト削減における本来の目的は、利益率をアップさせることです。
間接コストの見直しにより、売上にマイナスの影響を与えることなく、コスト削減できる可能性があります。

メリット②大幅なコスト削減に繋がる可能性が高い

間接費は科目あたりの金額が少ないため、「コスト削減できる総額が低い」と考え、間接コストの削減に取り組んでいない企業が多いです。
しかし、間接費(特に間接経費)は不規則かつ大量に発生するコストであり、売上げの10~20%に相当します。
間接コストを削減することで、大幅なコスト削減に繋がる可能性が高いのです。

メリット③早期のコスト削減に繋がる可能性もある

間接費は科目の種類が多いものの、科目毎の金額は少ないため、「間接コストの削減には時間がかかる…」と後ろ向きな企業が多いです。
たしかに、間接材料費や間接労務費は短期的な改善が困難ですが、以下のような間接経費であれば、比較的早期にコスト削減が可能です。

例えば…
・従業員による立て替え経費(交通費、高速代、会議費、雑費など)
・請求書支払い経費(賃借料、通信費、光熱費、税金など)

上記の間接経費を「法人クレジットカード(およびETCカード)」で管理をすれば、小口現金や新幹線回数券などの管理が無くなり、経費精算業務の効率化を実現できます。
経費精算業務の効率化ができれば、これまで手作業で管理をしていた経理部や総務部での間接労務費の削減にも繋がります。
法人クレジットカードの詳細について、詳しくは「「法人カード」は中小企業におすすめのクレジットカード!メリットや選ぶポイントを解説! 」をご覧ください。

間接コストを削減する3つのポイント

間接コストを削減するためには、まずは間接費と直接費を分類して、間接費を可視化することが大切です。

間接コストを削減する3つのポイント

また、間接費を間接材料費・間接労務費・間接経費といった科目に分け、具体的に「何を・どこから・何のために支出しているのか」を把握し無駄なコストの発生源を特定してください。
なお、間接費と直接費に明確な基準はないため、業種に合った分類で問題ありません。

ポイント①間接材料費を削減する

間接材料費とは、製品を製造する上で原材料ではない、補助材料費や消耗品費などが該当します。
間接材料費を削減するポイントは、「必要な分だけを安く仕入れ」て「不要な在庫を抱えない」ことです。
具体的には一括で安く仕入れをする、単価交渉をする、在庫管理の見直しをする、などの方法があります。

ポイント②間接労務費を削減する

間接労務費とは、製品やサービスに直接関係がない人件費、従業員の賞与や手当などが該当します。
間接労務費を削減するポイントは、「不要な業務を削減する」「ITを活用して業務を効率化する」「外注やアルバイトを活用する」などが挙げられます。

例えば、事業内容が小売業である場合、ITツールを導入して決済環境を整備すれば、間接労務費の削減に繋がります。

また先述した通り、法人クレジットカードを導入すれば、「従業員立て替え経費」や「請求書支払い経費」などの精算業務の効率化に繋がり、結果として総務部の間接労務費の削減にもなります。

ポイント③間接経費を削減する

間接経費とは、製品やサービスに直接関係がない費用、例えばオフィスの賃貸料・光熱費・出張に係る旅費や交通費などです。
間接経費は事業運営する上で必ず発生する「共通の費用」となるため、業界・業種を問わず、管理・適正化しやすいという特徴があります。
間接経費を削減するポイントは、「法人クレジットカードを導入する」「光熱費の料金コースを見直す」「通信費を法人プランへ切り替える」「出張手配が可能なシステムを導入する」などが挙げられます。
法人クレジットカードであれば、会社経費の支払いに使うことでポイント還元(またはキャッシュバック)を受けられたり、新幹線・航空券の予約サービスや保険などビジネスに役立つ付帯サービスを利用できます。

さらにETCを導入すれば、車での営業活動の利便性が向上し、不正利用の牽制にも繋がります。
>>法人クレジットカード導入による間接費の削減事例

間接コストの削減は「目標」と「期限」を明確にして実行

具体的にどの間接コストを削減するのかが決まれば、次は「目標」と「期限」を明確にしてください。
この理由は、間接コストの削減は社内全体で取り組む必要があるためです。
「目標」を設定して社内全体に共有し、「期限」を決めることで定期的にどの程度の削減効果があったのか見極められます。

現実的な「目標」を設定する

自社の間接コストの特徴を見極めた上で、現実的な「目標」を立てて社内全体に共有しましょう。
ただ、大企業が掲げるコスト削減目標を真似すると、業務に支障が出る可能性もあるため、自社に合った現実的な目標を設定してください。
「誰が」「何を」「どのようなルール」で取り組んでいくのかも社内全体で共有できれば、さらにコスト削減の効果を出しやすくなるでしょう。

具体的な「期限」を設定する

自社の間接コストの削減目標が決まれば、具体的な「期限」を設定しましょう。
予め期限を設定しておけば、定期的にどの程度の間接コストの削減効果があったのか見極められます。
仮に予定通りに間接コスト削減の効果が出なかった場合は、削減目標や取り組む内容を修正することも可能です。
「期限」を決めて定期的に改善点を知ることで、より効果のある間接コストの削減プランにバージョンアップできるでしょう。

間接コストの削減まとめ

間接コストは科目が多く、さらに科目1つあたりの金額が小さいです。
そのため「削減効果が出にくい」「時間がかかる」などの理由から、間接コストの削減が未着手である企業が多いです。
ただ「塵も積もれば山となる」という言葉通り、間接コストもコツコツ削減を続ければ、結果として大きなコスト削減に繋がります

まずは間接コストを視覚化して「削減すべき間接費の科目」を見極め、「目標」と「期限」を設定して実行に移しましょう。