更新日:
公開日:
経営

経費削減の重要性と実施の流れ、具体的な方法を解説

  • Facebook
  • X
  • Line
経費削減の重要性と実施の流れ、具体的な方法を解説
企業では、利益率をアップさせるために「経費削減」に力を入れているところが多くあります。しかし、経費を削減すること自体が目的になってはいないでしょうか。

この記事では、経費削減の重要性や実施する際の注意点と、経費を削減するための基本的な手順や流れについて解説します。

また、経費を削減する際の項目や方向性と、具体案についても触れていますので、ぜひ参考にしてみてください。

経費削減の重要性

経費削減の重要性


まずは、経費削減の重要性や、なぜ必要とされているのか、その理由について解説します。

売上以上の利益向上が可能に

経費を削減することによって、売上以上に利益を向上させることが可能になります。経費削減によって利益率が最大化されるため、売上増加に注力するより少ない労力で、利益向上が実現することも少なくありません。

業務の効率化が図れる

業務効率化を図ることができるのも、経費削減が重要視されている理由のひとつです。無駄な業務フローを見直して効率化を図るため、不要な業務の見直しや効率良く進めるための工夫を意識するようになります。

働きやすさの向上につながる

経費削減のために残業時間の削減を行うなど、働きやすい環境を整えるうえでも経費削減は重要です。人件費を削減するには、より効率良く業務を進める環境を整える必要があるため、働きやすい職場環境の構築にもつながります。

企業のイメージ向上につながる場合も

経費削減のために業務フローを見直して効率化し、残業時間が削減されていけば「働きやすい職場環境の企業」というイメージアップにつながります。また、労働時間が短くなれば電気や水道などのエネルギー使用の節約につながり「省エネに取り組んでいる企業」としてブランディングにも役立つでしょう。

経費削減を実施する際の注意点

経費削減を実施する際の注意点


経費削減を実施する際には、いくつか注意しておくべきポイントがあります。

社員の理解を得ながら進める

経費を削減する際、必要な経費まで徹底的に削減しようとすると、社員の理解を得られない可能性があります。働きやすい環境の提供や効率化のための経費削減にもかかわらず、無理なコストカットを行うことは本末転倒になります。必ず社員の理解を得たうえで進めていくようにしましょう。

長期視点で計画を立てる

経費削減は、将来的な働き方や業務フローの見直しにもつながるものです。そのため、将来を見据えて経費を削減すべきところ、経費をかけるところを取捨選択しなければなりません。目先の経費を減らすことに執着せず、将来の利益につながる部分には経費を投じるなど、削減すべきポイントを戦略的に計画することが重要です。

経費削減の基本的な流れ

経費削減の基本的な流れ


ここからは、経費削減にいたるまでの基本的な流れについて解説します。

1.経費の中から不要なもの、削れるものを選ぶ
2.選定した経費削減の効果を試算し、実行する項目を絞る
3.経費削減の目標数値とスケジュールの設定を行う
4.具体的な削減方法を項目ごとに選定する
5.社内への周知と実施を行う


上述のような流れで経費削減を実行した後、実際にどの程度の経費を削減することができたのか「効果測定」を行います。
削減するためにさらなる削減方法の追加や改善が必要になるか、無理な削減になっていないかをチェックしましょう。

経費削減の項目と3つの方向性

ここからは、経費削減を行う項目の例と経費削減の方向性について紹介します。

経費削減の項目

■PC機器
職場に導入するPC機器のコストカットを行う場合、最新機器ではなく1世代前のモデルを購入する、使用頻度の低いものはレンタルするなどの方法で経費を削減することができます。

■インターネット回線
インターネット回線は、契約するサービス事業者を比較し、コストだけでなく通信速度など、業務への影響度合いも検討したうえで切り替えましょう。

■固定電話
固定電話は、ビジネスフォンの活用やクラウドPBXを導入するなどの方法でコストカットすることができます。

■携帯電話
携帯電話は、相見積もりによるコストカットのほか、格安SIMで知られるMVNO(仮想移動体通信事業者)への切り替えで経費削減を図ることが可能です。

■電気代
電気代は、電気料金比較サービスの活用や、残業時間の削減、LEDへの移行、テレワーク活用によるオフィス縮小などで削減することができます。

■複合機、コピー機
印刷機器の相見積もりによるコストカットが可能です。また、ペーパーレス化によって印刷そのものの回数を減らすことも経費削減につながります。

■名刺
名刺にかかる経費を削減するには、定期契約をしている場合、契約内容を見直して納期を長めに取り、印刷オプションを減らすなどの方法があります。近年では、オンラインで名刺交換を行う「デジタル名刺」なども広まりつつあり、デジタル名刺の導入で印刷コストを削減するのも手段のひとつです。

■タクシー費用
タクシー費用の削減を行うには、まず社内の使用状況を整理して部署や組織ごとに上限金額を設けるなど、削減目標を定めると良いでしょう。移動頻度が高い場合、自社車両の導入を検討するのも方法のひとつです。

■家賃
家賃は、オフィスを借りる際にかかる事務所賃料のことです。固定費としてつねに必要になる経費であり、入居時に立地条件などを比較して無駄なスペースがないように、適切な規模のオフィスを借りる必要があります。

■人件費
人件費を削減する方法は多くあります。業務フローを見直して業務管理システムを導入し、業務効率化を図るのも手段のひとつです。そのほか、残業時間の削減や負担の大きい業務を他社へアウトソーシングするなどの方法もあります。

3つの方向性から自社に最適なものを

経費削減は、3つの方向性から適切な方法を選択して取り組む必要があります。

■支出抑制
支出の抑制は、固定費や外部委託費用などにかかる費用そのものを見直して削減する方法です。

■費用対効果の最大化
費用対効果の最大化は、必要経費を最小限に抑える効果が期待できます。経費を抑えつつ、必要な部分に対してはきちんと資金を投じることで、経費投入によって得られる効果の最大化を図る方法です。

■戦略的経費削減
戦略的経費削減は、経費削減項目それぞれを単一的にコストカットするのではなく、企業全体の経費を抜本的に見直して戦略的に削減する方法です。社内の業務をアウトソーシングする、採算の取れない事業から撤退もしくは方向転換するなど、経費を投じるべき事柄そのものを見直す方法になります。

経費削減で試したい具体案

ここからは、経費削減を図る際に、具体的な例としてコストカットにつながるアイデアを7つ紹介します。

事業の仕分け

事業の仕分けは、経費を大きく削減できる方法です。費用対効果の得られない経費の使用方法を見直し、事業または部署単位で大幅な方向転換や取捨選択を行います。

アウトソーシングの活用

アウトソーシングの活用によって、本業へ集中できる環境を整えることも経費削減につながります。

案件の見直し、注力案件の選定

費用対効果の高い案件に注力できるように、案件やウェイトの大きい顧客に対して資金を集中させる方法です。売上につながらない無駄な投資を削減することができます。

業務のマニュアル化

業務のマニュアル化によって、社員の平準化を図るのも方法のひとつです。業務を行う人によって、クオリティやタスクを完了するまでにかかる時間に差が出ることを、防ぐことができます。

ソフトウェアを活用した業務の自動化

ソフトウェアを活用することで、業務の自動化を実現する方法です。ペーパーレス化や業務にかかる工数の削減にもつながります。

不良在庫、長期不動在庫の早期処分

不良在庫や長期不動在庫の早期処分により、キャッシュフローを良くする方法があります。在庫管理方法の見直しや過去データ活用による仕入れ量の適正化などでコストカットを図ることができます。

クレジットカードのキャッシュバックを活用

クレジットカードのキャッシュバックを活用するのも、経費削減につながります。利用する金額に対して数%前後のキャッシュバックが受けられるため、消耗品の購入などをクレジットカードで行います。また、法人向けのビジネスプロカードを活用すれば、さらにキャッシュバックの利率が高くなる場合もあるので、検討してみましょう。

>>セゾン・ビジネス プロ・カードの詳細はこちら

まとめ

経費削減方法は、多種多様にあります。しかし、必要な経費の投入は利益拡大のために不可欠であり、経費削減と資金投資のバランスを取ることが大切です。
業務フローや事業内容など、当たり前になっている社内のさまざまな事柄に目を向け、経費支出の最適化を図りましょう。