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消費税の還付金が発生する条件とは?対象になる3つのケースと受け取るまでの流れ

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免税事業者に該当しない限り、どのような業種でも納める必要がある消費税。この消費税を支払い過ぎた場合、その事業者は「還付金」を受け取れることをご存じでしょうか。

 

業種にもよりますが、消費税の還付金はときに多額に上ることがあります。還付金が経営に影響を及ぼすケースも考えられるため、経営者としてしっかりと概要を理解しておくことが重要です。

 

そこで本記事では、消費税の還付金の概要に加えて、対象となるケースや受け取るまでの流れをまとめました。特に海外進出を目指している経営者の方や、輸出業を営んでいる経営者の方は、これを機に正しい知識をしっかりと身につけておきましょう。

 

消費税の還付金とは?

消費税の還付金とは、消費者から「預かった消費税額」より「支払った消費税額」が大きい場合に、その超過分が返金される制度のことです。本来納付するべき消費税は以下の式によって算出されますが、この式の計算結果がマイナスになった事業者は、還付金を受け取れる可能性があります。

 

「本来納付するべき消費税額=(預かった消費税額)-(支払った消費税額)」

 

つまり、還付金は消費税の「支払超過」が発生した場合に受け取れるものですが、すべての事業者が対象になるわけではありません。所定の条件を満たさない限り、還付金の対象事業者には含まれないため、まずは以下にてその条件をチェックしておきましょう。

 

 消費税の還付金対象に含まれる条件

 【1】前々事業年度の課税売上高が、1,000万円を超える事業者(※)

 【2】創業から2年度以内で、期首時点での資本金が1,000万円以上の事業者

 【3】消費税額の計算方法として、原則課税を採用している事業者

 (※前々事業年度が1年未満の事業者については、課税売上高を年換算した金額が1,000万円を超えることが条件)

 

上記の【1】と【2】は、「課税事業者」の要件とも言い換えられます。つまり、消費税の還付金は、原則課税(一般課税)を採用している課税事業者が対象ということです。免税事業者に該当する個人事業主などは、仮に支払った消費税額が多くても対象には含まれないため注意しましょう。

 

なお、近年では消費税をクレジットカードにて納付する事業者の方も増えてきました。仮に現金ではなくクレジットカードで支払いをしても、上記の条件を満たせば還付対象に含まれます。

 

消費税の還付対象になる3つのケース

消費税の還付対象になるケースは、「預かった消費税額」と「支払った消費税額」の関係性に注目すると分かりやすいです。「預かった消費税額<支払った消費税額」を満たす場合に支払超過となるため、預かった消費税額が減るか、もしくは支払った消費税額が増えるような状況になれば、還付金を受け取れることになります。

 

では、消費税の還付対象になる具体的なケースを、以下で詳しく確認しましょう。

1.大幅な赤字になった場合

売上が大きく減少したり、創業当初で仕入や経費がかさんだりした場合は、消費税の還付対象に含まれる可能性があります。売上が減少すると預かった消費税額が減り、経費がかさむと支払った消費税額が増加するためです。

 

つまり、経営が大幅な赤字になった場合には、還付金を受け取れる可能性が高いです。ただし、消費税の課税対象ではない費用については、消費税還付の計算からは除外されるので、必ずしも「赤字経営=消費税の還付」となるわけではないので、注意しましょう。

 

消費税還付の計算から除外される費用

・従業員に支払った給与

・事業税や固定資産税をはじめとした租税公課

・国民年金などの社会保険料

・生命保険料などの保険料

・国外取引により支払った経費 など

 

還付金を受け取れるかどうか確認する場合は、上記の費用を除外して実際に計算をしてみることが望ましいです。「預かった消費税額」と「支払った消費税額」を算出し、2つの金額を細かく比較しておきましょう。

2.大規模な設備投資を行った場合

大規模な設備投資をすると、支払った消費税額が一気に増大するため、還付金を受け取れる可能性が高まります。大規模な設備投資とは、たとえば不動産や機械、車両の購入などが該当します。

 

ただし、以下で挙げる2つのケースは対象外となるので注意しましょう。

 

・土地を購入する場合

・不動産賃貸業のみを営んでいる場合

 

不動産賃貸業のみを営む事業者が還付対象から外されているのは、家賃収入が非課税であるためです。以前は自動販売機などの購入により、消費税の還付を受ける賃貸オーナーも見られましたが、税制改正の影響で現在は還付を受けることが難しくなりました。

3.輸出業を営んでおり、売上の多くが免税取引の場合

日本の消費税は海外で消費されるモノには課税されないため、輸出取引は消費税が免税、つまり「免税取引」として扱われています。この免税取引の割合が多い輸出業者は、必然的に預かった消費税額が減少するため、還付対象に含まれる可能性が高いです。

 

ちなみに輸出業者であっても、国内の取引で発生した経費(仕入れなど)については、そのすべてが消費税の課税対象となります。そのため、売上の大部分を免税取引が占めている業者の場合、支払った消費税のほとんどが還付されるようなケースも存在します。

 

消費税の還付を受けるための手続き


ここまでは、消費税の還付対象になる条件やケースを詳しく解説してきました。しかし、仮に上記の条件・ケースに該当しても、所定の手続きを済ませなければ還付金は受け取れません。

 

法人の場合は、事業年度終了の翌日から2ヵ月以内に、税務署長に以下3つの書類を提出する必要があります。

 

税務署長に提出する書類

概要

消費税及び地方消費税の確定申告書

事業者の基本情報に加えて、計算した消費税額などを記載する書類

付表2 課税売上割合・控除対象仕入税額等の計算表

課税売上額や免税売上額などから、課税売上割合などを計算するための用紙

消費税の還付申告に関する明細書

消費税が還付申告となった主な理由や、仕入れの明細などを記載する書類

 

いずれの書類も、国税庁のホームページでテンプレートや書き方が公開されているため、還付対象に含まれる事業者の方は余裕をもってチェックしておきましょう。個人事業主の方も手続きの方法は同様ですが、書類の提出期日は「対象となる年の翌年3月31日まで」となるので、法人の期日と混同しないように注意しておきましょう。

 

 

消費税の還付金はいつ受け取れる?受け取り方法は?

消費税の還付金が支払われる時期は、厳密には決められていません。各書類の確認や審査、支払手続きなどにある程度の時間を要するため、一般的なケースでは手続きの「おおむね1ヵ月~2ヵ月後」に還付されます。そのため、還付金を事業資金として組み込んでいる場合は、できるだけ早めに手続きを済ませておくことが重要です。

 

また、還付金を受け取る方法としては、以下の2つが用意されています。

 

還付金を受け取る方法

概要

【1】本人名義の預貯金口座への振込

確定申告の際に指定した口座が対象。手続きの1ヵ月~2ヵ月後に、指定口座に還付金が振り込まれる。

【2】ゆうちょ銀行または郵便局での受取

最寄りのゆうちょ銀行の店舗、もしくは郵便局に直接出向いて受け取る方法。

 

なお、上記【1】を選択するケースでは、指定口座の設定に注意しましょう。たとえば、名義に屋号が含まれる場合や、以下に該当しない指定口座を選んだ場合には、振込に対応できない可能性があるため、事前の確認が必要になります。

 

【対象に含まれる指定口座】

・銀行

・信用金庫、信用組合

・労働金庫

・農業協同組合

・漁業協同組合およびゆうちょ銀行

 

スムーズに還付金を受取るためには、上記【2】の方法を選ぶか、もしくは口座を開設している金融機関に確認を取っておきましょう。

 

会計処理の方法にも注意!方式による違い

還付金を受け取った後の会計処理は、普段採用している経理方式によって変わるため要注意です。還付を受けた後もスムーズに対応できるように、「税抜経理方式・税込経理方式」の違いを以下で記載します。

1.税抜経理方式

消費税を費用・収益として扱わない「税抜経理方式」では、以下のような形で仕訳を行います。

 

決算時の仕訳

借方

金額

貸方

金額

 仮受消費税

〇〇 

 仮払消費税

〇〇 

 未収消費税

〇〇 

 

 

 

 

 雑収入

〇〇 

 

入金時の仕訳

借方

金額

貸方

金額

 普通預金

〇〇 

 未収消費税

〇〇 

 

上記だけでは記載内容が少し分かりづらいため、各項目の意味を以下で簡単にチェックしておきましょう。

 

・仮受消費税…課税売上に対する消費税

・仮払消費税…課税仕入れに対する消費税

・未収消費税…還付金の金額

・雑収入…端数による不一致が生じた場合に、金額を調整するための項目

・普通預金…指定口座で受け取った還付金の金額

 

この中で特に扱いが難しいのは、端数調整に使われる「雑収入」です。雑収入は、「還付金の額」と「仮受消費税と仮払消費税の差額」の間に不一致が生じた場合に、金額を調整する項目として一時的に利用します。

また、実際に還付金を受け取った後には、入金時の仕訳で貸方に「未収消費税」を記載し、減少させることも覚えておきたいポイントです。

2.税込経理方式

消費税を費用・収益として考える「税込経理方式」では、仮受消費税や仮払消費税の項目を使用しない形で会計処理を行います。

 

決算時の仕訳

借方

金額

貸方

金額

 未収消費税

〇〇 

 雑収入

〇〇 

 

入金時の仕訳

借方

金額

貸方

金額

 普通預金

〇〇 

 未収消費税

〇〇 

 

上記を見てわかるとおり、借受消費税・仮払消費税の項目を使わない影響で「端数による不一致」が生じないため、税込経理方式の会計処理は比較的シンプルです。ただし、税抜経理方式と同じように、実際に還付金を受け取った後には未収消費税を減少させる必要があります。

 

消費税の還付金は多額に上ることも!将来を見越して万全の準備を

「消費税の還付金」と聞くと少額をイメージするかもしれませんが、事業者によっては多額の還付を受けられることがあります。特に輸出業を営んでいる場合は、還付金が経営状態を左右する可能性もあるため、受け取るまでの流れをしっかりと理解しておくことが重要です。

 

また、現時点で条件を満たしていなくても、海外進出を狙っている事業者、外国企業とのつながりを強めたい事業者などは、将来的に還付対象に含まれる可能性があります。その時に困らないよう、これを機に還付対象の条件を確認し、必要な準備を済ませましょう。

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